SST(スペシャル・サービス・ツール)、つまりある機能に特化した工具製品ですね。
これらを使えば加工精度の均質化や工数削減が達成できます。
「腕より道具」という言葉があります。
悪い意味ではなく、優れた道具はあなたの成果をブーストしてくれて、それはつまりあなたの「腕」という評価になるのです。
例えば、自動車大国米国の自動車整備工は個人事業者が多く、時間ごとの単価が決まっており、時間工数という考え方で整備難度が高いものは工数が長く、簡単なものは短い見積もりになっていて、工数の長いもの=難易度が高いものを短時間で捌くことで多くの収入を得る、というモデルができているといいます。
整備対象に対して特化したツールを使いこなすことで迅速な作業を実現するのです。
よって自分の腕前=自分の工具という考え方が浸透しているそうです。
現場に合わない道具を工夫してうまくやることも、時には必要かも知れません。
しかしその苦労がわかるのはあなただけ・・・
結果にコミットしてくれるスペシャルツールで仕事を捗らせましょう。
今回はメーカーさんが出してくれている動画をご紹介します。
ストレートカッター
長尺立平葺きを縦に裂くのは大変です。
通常ケラバまでの寸法+ツカミ代の墨付けをして縦切鋏で裂いていくのですが、このストレートカッターは墨付け不要で、破風にガイドをあてがってカンナのように引くと寸法+ツカミ代の寸法で真っ直ぐ切れます。
くるりんぱ
鋏、掴箸不要!
屋根の発注時に軒先の切り欠きを指定する必要もありません。
現場の都合で葺き方向を変更しても切り欠きの方向を意識しなくて大丈夫ですね。
ガチャぽん
通常、掴箸で軒先を掴むのですが、掴箸でつまむためにはある程度軒先に板金が回っていないと滑ってしまってつまめません。
ガチャぽんであれば90°折り下がっていればそこから本締めまでしっかり掴んでくれます。
幅も掴箸とは比較にならないほど広いので、広範囲を素早くキレイに締められます。
立ち上げくん
立平葺きは、棟の止面戸として本体を立ち上げます。
通常掴箸で八千代折りをするのですが、折線を引いたり片方づつ少しづつ折り曲げていかなければいけません。
この工具なら一度飲み込み代を設定してしまえば、材料を咥えこませて立ち上げるだけで自動的に八千代折り状に加工されます。
妻ぶき君
横葺きの重ね部分は鋼板が5枚重ねくらいになります。
0.35ミリ厚の鋼板でも1.75ミリの厚みになってしまいますので、通常吊子部分をカットして掴みこむことになります。
妻ぶき君なら、その予めしておく下作業は不要となり、重なった部分がそのまま曲げられます。
ユニパー
最後は番外編で、荷揚げ機のご紹介です。
番外編と申しましてもやはり工事の進捗に多大な影響を与えます。
屋根上仕事をする際に一番たいへんなのが葺く屋根材料を屋根上に揚げることです!
職人さんによっては、材料が屋根上に上がった時点で「あーもう仕事半分終わったわ♪」というほど。
人海戦術で揚げることも考えられますが、機械は疲れも文句もなく淡々と荷揚げしてくれます。
はしごかけとウィンチ操作の講習を受ける必要がありますので、購入するプロショップなどで相談してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
たしかにそこにしか使えないSSTにお金を掛けるというのも躊躇するところがあります。
また、昔はこのようなSSTなど無く、職人の技術で施工していたわけですし、本当に必要か?という意見も当然あります。
とはいえ、一人で作業するなら品質の管理は自分自身の責任においてできますが、複数人で工事する際の工事の均質化という意味ではいかがでしょう。
SSTを使って誰もが同じように施工できるようになれば、より多くの仕事を受注できるようになります。
設備投資でもあり、ならびに後進の教育コスト低減も図れるということです。
今回ご紹介したSSTに関して、行きつけの板金材料取り扱いのプロショップに相談してください。
特化した道具を手に入れることは品質の安定とプロになる後進への投資です。
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参考映像
タカハシ機工YOUTUBEチャンネル takahashikiko(https://www.youtube.com/channel/UCESOfG_9jyk9qupYmfEtdFg)
ユニパー株式会社YOUTUBEチャンネル 荷揚げ機 ユニパー/UNIPER(https://www.youtube.com/channel/UCG0zRXaqE5-MbKuQJ0tPGww)