雨どいの部位・役物名を解説【竪とい編】

前回は軒といに関して説明させていただきました。

今回は竪といにフォーカスして勉強してまいりましょう!

図表は前回と同じものを貼り付けておきます。

図1
図2

 

竪といは代表的な丸型で説明します

丸型か角型かで違いはありますが、呼称上大きく違いが無いため丸型でまとめてしまいます。
やはりメーカーごとに寸法・形状が違いますのでメーカーを調べる必要があります。
おなじ60φの丸型竪といでもJIS規格ではないのでメーカーによって微妙に径が違います。

「たてどい」は竪樋や立樋ともいいます。各社とも2,700ミリ(1間半)の長さを1単位としています。
通常の在来工法で建てられる建物がおおよその階高が1間半となっているためこの単位となっています。

ですので軒といと併せて慣れてくると、建物を目視するだけでおおよその寸法が見当がついてしまうのですね。

「エルボ」はエルボー=肘ですね。
竪といの落とす位置を振るのに使います。
70°(110°)、75°、80°(100°)、90°と様々な角度があります。
通常2ケを1セットとします。例えば垂直方向から70°で横引きしたら70°で垂直に戻すのです。
別の角度のものを使ってしまうと垂直に戻りません。

「異径エルボ」は入口の径から出口を絞るのに使用します。
90φから75φ、75φから60φ、60φから55φといったものがあります。
使用例としては、現行の軒といでは落し口60φ用のじょうごしかラインナップされていませんので、補修で既存の55φの竪といを流用使用したい場合は60φの径から55φに絞る必要があるのですね。

「フリーエルボ」はスライドしたり回転させたりして角度を変えられるエルボです。
回転エルボや自在エルボという呼称もあります。

「継手」は軒といの際に説明したように、竪とい本体同士をつないで延長する部材です。
竪(立)ソケットや竪継手とも呼称します。

「異径継手」は異径エルボ同様、径を絞るのに使用します。
どこに使用しても良いのですが、主に地面の下に設置してある雨水マスへ入れるパイプがVU50というサイズのものの場合に、60φの竪といだと入らないため、55φに絞って差し込む、という使い方が多いのではないでしょうか。
またもちろん、異径エルボと同様に軒といの落し口を絞るのにも使用します。

「寄せます」は2系統の竪といを1系統に寄せるためのマスです。
メーカーにより、合せマスやP型集水器という名称になっています。

「チーズ」は寄せますと同様に2系統を1系統に合流させる部材です。
例えば、バルコニーの雨水排水のパイプを横引きして、竪といがまっすぐ降りているところに合流させるという形をとります。
寄せますと違いマス状になっていないため、緩衝作用がなく特に横引き側に逆流する流れができる可能性がありますので注意が必要です。

「はいどいエルボ」は屋根上を這わせる竪といの水を下流の軒といへ流し込むのに使用します。
90°エルボで代用することも多いです。

「化粧エルボ」はVU50管が横から挿入できるようになっています。
こちらはメーカーによって考え方の違いが大きく、エスロンですとY管、パナソニックでは角丸チーズふた付という名称になっています。

「ウォールマス」「スクウェアマス」は壁からの排水に使用します。
他メーカーですと角マスR、角ますマルチという名称となっています。
この部材自体は竪といの上に接続されているのみで、壁側に固定しない形式になっています。
図2の順序とズレてしまいますが、「飾ります」は同じく壁からの排水に使用する部材で、こちらは壁にビスで固定するようになっています。こちらもデンカ特有の呼び方となっており、他社では「角ます」というジャンルに分けられていますね。

「バルコニードレン」「バルコニーマス」は軒天からの排水に使用する部材です。
ポーチドレン、ポーチマスという呼称もあります。
エスロン、パナソニックではデンカのバルコニーマスのことを「飾ります」と呼んでいます。
この辺り、材料屋さんに注文する際に注意しないといけないですね。

「排水管カバー」「排水継手」は異径継手の項でも書きました、雨水マス導入口のVU50へ差し込むための部材です。
スライドする機構になっていますので、コンクリートで固められたVU50を竪といの寒暖による伸び縮みで引っ張ってしまったりして壊すことが避けられます。

 

今回は竪とい編ということでここまでとなります。

それではこれら雨どいの部材を建物に取り付けるのはどうしたら良いのでしょう。
次回は「取付け寸法編」にしたいと思います。

参考になりましたでしょうか。
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