こんにちは、小井手です。
前回のお話では、膜の構造、特徴、アプローチ方法までを手首周りを例にお伝えしました。
少しおさらいしてみましょう!
リリース法は、
①気になる部分に軽い圧力をかける。
②皮膚を痛みのない程度にズラす。
③さらに関節を動かす。
「皮膚をずらす→関節を動かす」でしたね。
今回からは、症例別にリリース法お伝えして行きます。
私の鍼灸院では、痛みに特化した施術を行なっていますが、中でも多いのが肩凝りや首凝りです。
PC作業、スマホの操作などにより1日の大半を「俯い(うつむい)た姿勢」で生活することが増えた現代人。
数年前までは、【デスクワークの大人=肩凝り】というイメージが強かったのですが、最近では、スマホ普及に伴い中高生、大学生の肩凝りが増えてきています。
時には、中学受験で毎日長時間勉強している小学生も肩凝りに悩まされ、鍼灸院にお越しになります。
また、スマホやタブレットで動画を観たり、ゲームをしたりといった時間を過ごすご老人が同様の症状で来院されるケースもあるのです。
こうやってみていくと、10代〜80代のどの年代も肩凝りに悩まされていることがわかります。
肩凝り、首凝りはまさに、『現代病』。
私の治療院にお越しになる肩凝り、首凝りの患者様は、
「上を向く動作がつらい」
「長時間画面を見ているとつらい」
「首を回すと斜め後ろに頭を傾けた時に痛みや詰まり感がある」
のような症状が多く、寝違い様の症状がずっと続いていると仰る患者様も時々おられます。
この場合、可動域に制限が出ている状態になる為、車の運転などをするとかなり危険です。
痛みがある場合は、運転などは控えましょうね。
リリース法をお伝えする前に、
肩凝り首凝りの原因となる部分はどこなのかお伝えしていきます。
先ず、
①「上の向く動作」
僧帽筋、半棘筋、板状筋、腸肋筋(胸部)
②「長時間画面を見る姿勢」
①に加え、胸鎖乳突筋
③「首を後ろに回す動作」
僧帽筋、板状筋、肩甲挙筋
これらの筋が、機能することで①〜③の動作が行われます。首回りの筋や首から肩甲骨に伸びている筋がメインとなっていますが、ひとつだけ背中〜腰まで伸びる筋があります。
「腸肋筋」です。
ひつこい肩凝り解消には、背中の動きに関与する腸肋筋が鍵を握っていますので、覚えて下さいね。
リリースエリアは、これらの筋の周囲。主に首から肩、背中になります。
それではやっていきましょう。
ひとつ目
①真正面を向き、首の真後ろに片方の手を当てます。
②次に当てた手の方向へ皮膚を横にズラします。
③その状態で顎を引きながら、お辞儀をするように下を向いていきます。
首の後ろから頭の辺りまでリリースされるのが感じ取れると思います。
ふたつ目(右の場合)
①正面を向いた状態で、右手をお尻の下に入れます(手のひらが上になるように)。
②左手を右の「首と肩の間」に当てます。
※カラダの前がから
③皮膚を上から下にずらし、左側に首を倒します。
左手を当てる位置を少しずつ上に置き換えながら何度か行いましょう。(最後の位置が耳の下辺りに来るまで)
首の後面と側面ごリリースされるのを実感できると思います。
みっつ目
ふたつ目に行ったリリース法の②で手の位置を「肩上部」へ置き換え、体の前方向へ皮膚をズラします。
次に首を左に倒していきます。
この場合、いわゆる肩凝りを感じる場所がリリースされているはずです。
四つ目
ふたつ目に行ったリリース法の②で手を後ろから回し「肩と首の間」に手を当て上方向へ皮膚をズラしながら、同様に首を左に倒します。
首の側面からやや前面にかけてリリースされるのを実感できるはずです。
五つ目
正面を向き、左手を前から回し右の肩甲骨と背骨の間に手を当てます。
皮膚を上にズラしながらゆっくりカラダを左に倒しながら少し前へお辞儀していきます。
背中がリリースされるのを実感できるはずです。
これら5つの筋膜リリースを行ってみてください。
背中から上がかなり軽くなると思います。
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