屋根替え現場からのレポートです。
化粧スレート屋根の上に瓦調の波スレートでカバーしたものから、ガルバリウム鋼板の立平葺きへの屋根替え工事です。
この瓦調の波スレートは当時大ヒットした製品で、当初はアスベスト含有で非常に頑丈な良い屋根材でした。
化粧スレートや瓦棒葺き屋根の上からカバー工法で施工できるというふれこみで、採用されているお宅が多いんです。
今回のお宅のものは残念ながら(?)アスベストが使用できなくなった後に素材変更したものを使用していて、写真のようにクレープ状に剥がれる症状が良く発生します。
今回こちらを剥がした後、瓦調波スレートの下地になっている化粧スレートも剥がしました。
下地が露になってべニアに足を乗せると、あら!踏み抜いてしまいそう!
異常にボヨボヨです。
雨漏りはしていないはずなので、下地が腐って柔らかくなっているわけではありません。
下地のべニアに薄いものが使われているのが原因でした。
それがトップ画像です。
化粧スレートは下地の構造用合板に専用リング釘で打ち付ける仕様となっていて、釘がしっかり効く構造用合板を使うことが必須なのですが、こちらはおそらく6ミリべニア・・・
(おそらく、というのももうカサカサボロボロになっていて、元の厚みが計測できませんでした。)
これ、実は築年数の多い物件で結構見かけるのです。
当事の施工者がどのような認識だったのかは正直わかりません。
バブル期以前くらいから新しい屋根材が次から次へと発表され、施工マニュアルがしっかり周知されていなかったのかも知れません。
その後、何かの縁で瓦調波スレートでカバー工事することで、下地の更に下の躯体の垂木にビス留めされて屋根が剥がれたりせずに長期に渡って保っていられたのでしょうね。
化粧スレートだけだったら屋根材が脱落して事故になっていたかも知れません。
今回、既存の下地べニアの上から構造用合板を垂木にしっかり留めつけ、下地を作りましたので、屋根上を歩くのも安心、屋根の脱落の心配もありません。
勾配も緩いので、今回立平葺きを選択したのは正解だと思います。