【マーフィーの法律】代金未払い①【第2回】

まず、最初に取り扱うのは下請けさんのトラブルで法律問題になりやすい代表例、代金の未払い問題です。

といっても、対処の方法は様々ですので、何回かに分けてみていきましょう。

事例1
Aさんは、元請け業者のB社から建築工事を請け負いました。工事は無事完了し、代金の支払いを求めたのですが、B社は「正直な話、資金繰りが厳しく、支払うことができない」とこれを拒絶したきり、電話にも出てくれなくなってしまいました。

1.対策準備1-未払いの理由の調査

(1)未払いの理由は何だろう?

工事の代金が支払われない理由は様々です。

その中には、何らかの不具合があり工事が終了していないとか、いったん終了したものの、後に瑕疵が見つかったため一部は損害分として支払えないというように、相手側の言い分にも一定の法律上の理屈があるかもしれない場合もあります。

今回のB社の主張のように単純に資金がないという場合であっても、一時的な手元資金のひっ迫で改善の見込みがあるのか、慢性的な赤字状況で自転車操業状態なのか、完全に事業の継続を諦めているのか等、詳細は色々考えられます。

トラブルの解決というところについても、相手からの支払がない本当の理由が何であるのか、そこを探っていくことが第一になります。
もし本当に相手に全くお金がないのにも関わらず多額の費用をかけて回収を図るということになれば、こちらの損失がより大きくなってしまうかもしれないからです。
理由を含めた状況の正確な把握ができれば、どういった手段で、どこまで対処をしていくか、対策を立てる前提ができます。

◎未払いの理由について正確に把握しよう!

(2)どうやって把握する?

では、未払いの理由をどうやって把握するべきでしょうか。実は、ここはかなり難しいところです。

もちろん、B社は、今回、資金繰りが厳しいと主張していますので、これを前提とすることが最初のとっかかりになります。
しかし、単に資金繰りが厳しいといっても、前記のとおり、全く財産がないのか、手元資金はないが今後入ってくる予定はあるのか、売り払う事のできる財産を現金化すれば支払えるのか等々、様々な幅のある状況が考えられます。

最も重要なのはB社が事業を続ける気があるのかどうかというところです
事業を続ける気があるのであれば、売り上げからの回収が見込まれますし、支払いを避け続けるわけにはいかないため、回収の可能性は大きく上がります。

この辺りは相手の内部事情なのでやってみないとわからないところが当然あり、弁護士でもここの見通しを立てたり、一定の調査をすることはなかなか難しいというのが実情です。

決定的な対処方法というのはありませんが、その元請けのほかの現場はまだ動いているのか、元請けの売り上げはどこから、いつ頃に入ってくる予定なのかということを、B社自身や周りの情報から聞いていくということをやっていくしかないでしょう。

但し、あまり時間をかけすぎると、B社の資金が散逸してしまうかもしれません。自分なりの見通しを立て、対策に乗り出しつつ、情報を収集し、修正しながら進めていきましょう。

◎様々な角度から情報を集めていこう!

(続く)

この記事を書いた専門家
真船法律事務所経営
横浜市神奈川区で企業法務を中心に、離婚・相続、債務整理、いじめ、刑事事件等幅広く扱っています。
ご相談は045-317-4081へお気軽にどうぞ。
真船裕之
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