みなさま、こんにちは。北川です。
今回は現場の様子から離れ、どのような経緯でもって「外装リフォーム」をお施主様が決定されたか。
そんなテーマで3回にわたり、実際の事例をお伝えしたいとおもいます。
【1】ご相談内容 ☜今回はココ
【2】当方ご提案
【3】ご決定に至るお打ち合わせ内容
【1】
お施主様より店子様に貸しておられる、ご自宅となりにある一戸建ての瓦屋根を葺き替えされたい。
そのようにご相談をいただきました。
築40年をこえるご物件、外壁は塗装を経て劣化をおさえていますが今回の点検で下記を確認しました。
・大屋根・下屋根の瓦が徐々にずれてしまっている。
・もうひとつの下屋根は(ガルバリウム立葺き)かなり錆が目立つ状態。棟も外れそう。
・一部の2階窓上にある庇の錆による劣化、釘浮きからはがれる恐れあり。
今回ご相談の主目的は、ご自宅の瓦葺き替えは当店で以前に施工させていただいており
借家のほうも、同様に瓦による不安※(落下欠損等でのトラブル)を失くしたいとのことでした。
※〈長期老朽化した瓦屋根の不安要素〉
・漆喰の打ち直し、ずれてゆく瓦へのシール打設などメンテナンスが都度必要(要足場)
・経年劣化による欠損や台風などではがれた場合、地上や近隣家屋へ落下のおそれ
→ 瓦・1枚1枚の重量があるため、1枚でも万一落下すると大事故のおそれがある。
・大地震の際に家屋倒壊するため、瓦以外の屋根に葺き替えて重量を減らしたほうがよい
・下葺き、野地板の経年劣化(こちらは、瓦以外の屋根と同様です)
大家さんであるお施主様もご高齢になられ、まだ元気なうちに安心したいとのご希望。
ご自宅には娘さん・そのご子息も同居されるため、相続前に不安要素を減らしたい意図もありました。
むかし、瓦で屋根葺きした時代の住宅は、築40年から50年をこえているものが多いわけですが
今回のご相談は居住耐久性にまだ不安ない建物につき、さらに延命させていくのに必要な施策として
先延ばしとなっていた「瓦の葺き替え」を着手優先したわけです。
お施主さまはお子さまが同居され、今後もまだまだご自宅と借家の管理に携わられる予定であり
工事実施のご判断、費用のご負担について現実的にお話合いができました。
じつはこちら、日本全国の空き家問題とも関係していまして
・経年劣化した住宅を、親族他だれも使う理由がない。買い手や借り手もみつからず。
・今後、住居として使われる予定がないままに工事費用の負担は現実的でない
この2点から、空き家があばら家となって増えていくというわけです。
今回は幸いなことに、きちんと住み手がいらっしゃるものですから大切な資産の保全に
ついてご検討がスムーズにすすめられた。ということになります。
以上、工事ご相談の背景および、事例としてよくある現実である、というお話でした。
次回は、【2】当方の対応ご提案 について書きます。