桟葺を葺こう

立葺き屋根の基本形!桟葺を実際の現場写真を交えて屋根葺き体験してみましょう。

軒先水切り
下葺き
縦桟の垂木を流す
ドブ板を入れる
棟際は八千代折り
棟包み
番外編:天窓廻りの板金納め
こういった流れで施工していきます。

こちらで解説した通り、軒先から棟に向かって下から上に葺き上げていきますよ!

軒先水切り

まずは軒先水切り。

桟葺の場合、捨唐草(安全唐草)という軒先水切役物を軒先に取り付けて行きます。

写真の黒いラインが唐草の「捨て」部分。
屋根本体から流れてきた水が軒先まできて滴り落ちるとき、多少なりとも毛細管現象で唐草と屋根本体の継ぎ目から吸い込んでしまいます。
それを屋根面に伸びた板金部分まででせき止めることで野路板を湿らさないようにするのが「捨て」部分です。
仕上がりから見えなくなるので「捨て」と呼びますが大切なところです。

下葺き

ルーフィングを敷きます。

標準となるのがJIS規格適合品 JIS A 6005 アスファルトルーフィング940適合品で、1㎡あたり940gの重量があるので21m巻で通称22kgとか23kgとか言われたりします。

タッカーというホッチキスのようなもので野路板に留め付けていきます。
継ぐ際には桁方向に200mm、流れ方向で100mm重ねます。

この下葺きが最終防衛ラインですので浮きやシワがないようしっかり留めましょう。

縦桟の垂木を流す

縦桟の下地となる垂木を並べて行きます。

その前に割付の墨出ししなければいけませんね!

在来工法といわれる軸組工法であれば野地板の下に躯体の垂木がありますので、基本的にその同じ位置に桟を取り付けていくことになります。
基本的に芯から芯の寸法が455ミリで組み上げているはずですので、基準の墨を出して追いかけて行くのが良いでしょう。

2✕4などの枠組み工法ですとその常識が通じません。
野路板が構造用合板であれば、そちらに木ビスで留め付けていくことになります。
ある意味で割付は自由なので、割の良いところに基準を出して芯から芯で455ミリピッチで桟を設置していきましょう。

ドブ板を入れる

屋根の流れ長さに合わせた457ミリ巾の鋼板をコの字に加工した、通称「ドブ板」を縦桟の間に置いて行きます。

軒先はドブ板の先端を唐草のツカミ代に引っ掛け、掴箸でしっかり潰します。

棟際は八千代折り

棟際はドブ板を立ち上げて水返しとします。

コの字の板の端を立ち上げる際に鋏で切り込みを入れずに八千代折りします。

 

棟包み

棟包みの施工です。

縦桟の上に90ミリ巾の貫板を渡して留めます。
この貫板に棟板金を留め付けるのですね。

吹き上がって来る水の勢いを止めるためにエプロン面戸も忘れずに!

番外編:天窓廻りの板金納め

難易度が上がりますので番外編ということで。

現場合わせで、平の鋼板から製作していきますよ。

↑窓の横

↑窓の上部

↑窓の下①

↑窓の下②

↑窓の上の板金が裏返しに折られている部分がスターターになります

↑窓で遮られた縦桟を再開します

↑窓上部のドブ板を入れました

手間がかかりますね!
こればっかりは現場の状況に合わせてその場での対応が求められます。
特にリフォームに関してはその場にあるものに対して対応するしかありませんので、柔軟な頭と技術が必要です。
でも基本的な、「下から上に葺く」ことがわかっていればやるべきことが見えるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

駆け足ですが、なんとなく作業全体が見えて板金屋根の施工とはどんなモノかちょっとわかりましたかね?

最後の番外編:天窓周りの板金納めは職人が脳に体に汗かいて頑張りました。
他にも色々な納め方があるのでしょうが、納期のある限られた時間の中でその場限りの製作=ワン・オフ仕上げです。

ご意見・ご感想ありましたらお願いいたします。

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