つづきです。
入り組んだ屋根の納まりですが、本質を理解すればやるべきことは自ずと決まってきます。
とはいえ、毎度毎度悩みながら現場で合わせて行くしかないのです!
トップ画像は本谷といいます。
屋根と屋根が交わる部分に谷間ができますから、そこに雨樋のように下まで雨水を流すように板金を敷きます。
当然水が集中する部分ですので、留め付け方も気をつけます。
谷の下流もこのような複雑な状況。。。
直接の雨掛かりが少なくても、上流からの水が多くなればそれだけ水も広がりますので、屋根上を水が横走りしても壁から漏水しないように板金で押さえます。
弊社の工事では、流れ方向の壁際の納めは基本的に「Feat Wall Gutter System※」を採用します。標準部材と比較して圧倒的に雨仕舞が良いです。(※捨雨押えのことです笑)
雨漏りの原因が、屋根かと思ったら壁だった、ということは本当によくあります。壁と屋根の取り合いというのは非常に重要なのですよ!
この仕上がりの板金の裏側にももちろんしっかりと細工がしてあります。
表面だけ真似してもきっとうまくいかないでしょうね。
重要な「あそび」なので、隙間を見つけてもコーキングで埋めないでくださいね。
納まりの図面を求められることがあり、ある程度の単位の部材なら図面などは描けるのでしょうが、最終的に建物に取り付ける際には現場加工が必要ですし、その加工にはやはり職人の技が必要です。
そこまでの図面は…描けるのかな~・・・う~ん・・・。
フランク・O・ゲーリーという世界的建築家が使用しているような、航空戦闘機をデザインするようなCADを使用すれば描けるのかも知れませんが、板金の加工もそうですが取り付ける下地の精度もかなりのものを要求されるでしょうからやめましょう(笑)雨仕舞で重要なのは精度よりむしろ「あそび」なのですから。