玄関のポーチ軒天の先の部分を見切りといいます。
ここにつける水切りを見切り縁といったりオーバーハング水切りといったりします。
ここに限りませんが、水切りには装飾的な役割とともにしっかりとした役割があります。
また画伯の落書きでございます。
水は実は粘性があります。
ですので、連続した面に対して張り付いて進む性質があります。
天井にも張り付きますし、天井のちょっとした凸凹でも重力に逆らって広がっていきます。
上絵の左のオーバーハング水切りが無い場合、軒裏を伝って軒裏を腐らせたり、その先の壁まで広がって壁と軒裏の隙間から家の中にまで染み込んでいくことすらあります。
そのため、その面に沿って広がってしまう水を削ぐために水切りが必要となるのです。
上絵の右の上は壁面を軒天より下げたり、水切り板金を取り付けたりした場合のものです。
20ミリほど下げることで、それ以上水は上らなくなります。
それ以下ですと水がしっかりと切れずに軒裏に進んでしまいます。
右下の絵は、RC造のビルなどで溝が切ってあるものを見かけると思います。
この溝も仕上がり段階で20ミリ以上の深さをつけることが必要です。
軒裏に伝わってもいいように軒裏を防水性の高い塗料で塗ってしまうと、今度は軒裏に溜まった湿気の逃げ道が無く躯体を攻撃してしまいます。
後で取り付けるようなものではありませんが、金属サイディングを既存外壁の上に重ねて張る場合などでは水切りをしっかり意識してもらいたいですね。
参考になりましたでしょうか。
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